murmur **

君想い、午後3時の白昼夢

おやすみの日

少し体調が悪かったから病院に行って
家に帰って久々に漫画を読んで
たくさん休憩したら、少し楽になった

 

久々に元彼と連絡をとって
草津にいた日々が少し懐かしくなった
それでも私はもう元彼のことがすきじゃないし
元彼にも好きな人ができたと言った

 

わたしのすきなひとは東京にいる
いつまでもあかるくて眠らない街
きれいな思い出も、いままでの出来事も
ぜんぶぜんぶ飲み込んでしまうような
そんな恋

 

心の底から人を好きになったのはいつぶりだろうって
ただ、ただそう思った

 

時間があればすぐに考えてしまうから
思い出さないように予定を詰め込んだ
やるべきことに集中していれば
それが楽しくなって
あなたのことを思い出さずにすむの

 

大好きだけど
また会える保証なんてなくて
会えたとしても
次があるかもわからない
そんな恋

 

それでも好きで
私はこの人にまた会いたいって
あの時たしかに思ったんだ

 

東京の街は今も明るいのかな
あなたはまだ起きてるかな
わたしとの約束は覚えているかな

 

深夜1時
空は繋がっていて
時差もない
遠くて近い、そんな距離

 

本当はいますぐ夜行バスに飛び乗って
あなたに会いに行きたい

 

来週の金曜日
あなたに会えますように

どうしようもないくらい

好きで好きで好きで好きで
どうしようもないくらい好き

会いたくて話したくて声が聞きたくて
こんなに好きなのに
会えなくて話せなくて記憶は薄れていく

こんなに好きなのに
話したいのに
他愛もないことで笑い合いたいのに
ただそれだけなのに
それすらできない

財布を預けられると
信頼されたような気になってしまう
財布とって、おいてっていわれると
そんなばかみたいな記憶

コードを渡した時に手が当たって
少しドキッとした
そんなばかみたいな記憶

ぜんぶぜんぶぜんぶばかみたいで
でも
ぜんぶぜんぶぜんぶだいすき

ファーストキス

思っていたよりもそれはずしん、としていて、
息ができなくなりそうだった。

胸がいっぱいになって、苦しくて、でも、ほんのり甘い味がした。
それは、彼がいつも噛んでいるチューインガムの味だった。

それが終わった後、彼が少しオトナびて見えたのはわたしだけの秘密。
そして、わたしも。

「甘かったやろ?」「うん。ちょっとだけ。」

クリームソーダ

しゅわしゅわの泡をたてる青く澄んだ透明の飲みものに

ふわっと乗った冷たいアイスクリーム。

 

美味しそうだなあ、と思って口に含んでみるのだけど、

独特の甘さが現れてぱちぱちと舌を攻撃したとたんに飲めなくなってしまう。

 

それでも飲みたくてちびちびと飲む。

たまにアイスクリームを口に含んでみる。

何が美味しいのだろう、と考える。

その繰り返し。

 

すきになりたいのに、すきになれない飲みもの。

まるで恋焦がれるように、せつないきもちがわたしの胸をしめつける。

 

憧れはいつまでも憧れのままなの。

 

それから

モスバーガーを食べたのはあの日以来で
少しだけあの人のことを思い出した。

 

キスする前にハンバーガーを食べるなんて
ばかだよねって笑ってたあの人は
最後まであいまいな言葉だけを紡いだ。

 

わたしはもう道に迷わないし
Googleマップにも惑わされない。

 

それでもまだ
あの人の体温とか肌触りとか
優しくあいされたことは
覚えていたいと思う。

 

愛しく思うのは、つみではない。

愛情と同情

自転車の二人乗り
深夜のモスバーガー
Googleマップに惑わされて

 

渡された鍵
曖昧な言葉
増える電話の数と
減るメールの回数
 
あれは夢だったのか
うつつだったのか
 
やっぱりわからない
わからないよ
 
きみに言われたこと
感情が巡る
 
本当のことは
見えなくていい
 

夜間飛行

地図を見ながら2人で自転車を走らせるのはひどく滑稽で、ある種の逃避行みたいだった。きみの背中を見ながら静かに泣いた。

抱きつくと、きみは中学生の時の友達の話をした。2人乗りをしていたら、恋人が後ろから抱きついてきたと、きみの友達は嬉しそうに話していたらしい。それを思い出したときみは言う。

それを話して、きみはどうしたかったんだろう。恋人にはしてくれないのに。